特集

懐かしの1960年名古屋まつり・商店街山車みこしパレード

 名古屋の秋を、多彩な魅力で華やかに彩る一大イベントの「第63回名古屋まつり」が、10月21日(土)・22日(日)の2日間開催されます。
 中でも、郷土英傑行列をはじめとする市中パレードはたいへん多くの方に親しまれていますが、パレードの一つであるフラワーカーパレードは、名古屋市商店街振興組合連合会(名商連)が中心となって組織した「名古屋まつりフラワーカーパレード運営委員会」が制作・運営しています。
 今年のフラワーカーパレードは「元気いっぱい、花いっぱい、しあわせ運ぶフラワーカー」 のテーマのもと、色とりどりの美しい生花で飾られ、総勢400名以上によるバトンの妙技やブラスバンド隊の演奏、ダンスチームによるパフォーマンスが華やかに繰り広げられ沿道の皆さんの注目を集めるでしょう。

 
金シャチ輝く名古屋城号
今年参加の「心を一つに深めよう!ニッポンの絆」号
 

 この「フラワーカーパレード」は、1955年(昭和30年)の「第1回名古屋まつり」の時、名古屋市商店街連合会(現在の名商連の前身の団体)が協賛行事として「商店街山車御輿コンクール」を実施したのが始まりです。
 その後、車によるパレードに変わり、1989年(昭和59年)の「第30回名古屋まつり」からは「運営委員会」方式に切り替わって現在に至っています。

 このコーナーでは、名商連に保管されていた貴重な資料から、1960年(昭和35年)の「第6回名古屋まつり」「商店街山車みこしパレード」の様子をお伝えします。

 
商店街山車みこしパレード参加一覧
 

 この年は、一覧表にあるように30台の山車・みこしが参加しました。
 「商店街振興組合法」が出来たのは1962年(昭和37年)の事ですから、この時はまだ任意団体として商店街があり、名称も発展会となっている所が多かったようです。
 また、今では見かけなくなった商店街の名前もあるのが時代の変遷を感じます。

 
千種区・城山商店街
 

 千種区の城山商店街です。
 広小路通の本山交差点から末盛交差点沿いに発展した街で、商店街は健在ですが道路拡幅などにより景観は大きく変貌しました。
 「ダッコちゃん」を載せた神輿ですが、この年に発売されて社会的現象ともなる大ブームを巻き起こしました。そのためか、この年のパレードには「ダッコちゃん」の神輿が多く参加しています。
 栄交差点の光景ですが、バックはオリエンタル中村百貨店(現在の名古屋三越)です。

 
千種区・仲田本通発展会
 

 千種区の「仲田本通発展会」です。
 現在の仲田本通商店街で、広小路線の仲田交差点から北の東市民病院(現在の名古屋市東部医療センター)の通りに発展した街で、第二次世界大戦以前は陸軍造兵廠などの軍需工場がありました。
 こちらも「ダッコちゃん」の神輿です。

 
千種区・今池西南発展会
 

 千種区の「今池西南発展会」です。
 現在の今池西南商店街で、今池交差点の西南側の商店街です。
 名古屋城を模した神輿です。

 
千種区・今池東南発展会
 

 千種区の「今池東南発展会」です。
 現在の今池東南商店街で、今池交差点の東南側の商店街です。
 こちらも「ダッコちゃん」の神輿です。

 
千種区・仲田銀座発展会
 

 千種区の「仲田銀座発展会」です。
 現在の仲田銀座商店街で、広小路線の仲田交差点を中心に東西に沿って発展した街です。
 写真が少しボケて分かりにくいですが、戦国武将をデザインした神輿のようです。

 
東区・代官町盛場建設期成同盟会
 

 東区の「代官町盛場建設期成同盟会」です。
 東区代官町にあった「代官町商店街」辺りの団体だと思われいますが、昭和30年代には映画館が2軒あるほど栄えた街だったようです。
 船形の山車で参加でした。

 
東区・矢田本通発展会
 

 東区の「矢田本通発展会」です。
 現在の矢田本通商店街で、大曾根駅の北東側にある旧道沿いに発展した街です。
 こちらは、オーソドックスな神輿のようです。

 
北区・大曽根電車通発展会
 

 北区の「大曽根電車通発展会」です。
 当時の市電の「大曽根」電停は、現在の西大曽根交差点辺りにあり、そこから東へ600mほど東に「東大曽根」電停がありました。
 現在の大曾根4丁目交差点付近ですが、国鉄(現在のJR東海)の「大曽根」駅まで500mほどの距離があったため、その区間に商店街が発展しました。現在の大曽根商店街大曽根本通商店街の前身だと思われます。
 当時の首相だった池田隼人氏を模した神輿ですが、大好物と言われた「カレーライス」の文字が見えます。

 
北区・鈴蘭通発展会
 

 北区の「鈴蘭通発展会」です。
 その後「鈴蘭通商店街」となりましたが、市電の「大曽根」電停の西側にあった商店街です。
 山車のパレードですが、1954年(昭和29年)に大衆演劇の劇場「鈴蘭南座」が誕生したせいもあったのでしょうか、参加者全員が時代装束です。

 
北区・柳原通発展会
 

 北区の「柳原通発展会」です。
 現在の柳原通商店街ですが、1962年(昭和37年)に愛知県下では振興組合設立第1号、全国でも2番目の早さで設立された商店街で、名古屋城の東にあった柳原街道沿いに発展した街です。
 「秤」をデザインした神輿ですが、「ミルク」と書かれた物が乗っている事から、この年に一大事件となった「森永ヒ素ミルク中毒事件」を風刺しているのかも知れません。

 
北区・上飯田通発展会
 

 北区の「上飯田発展会」です。
 その後に「上飯田商店街」となりましたが、当時は名鉄小牧線と市電の終点が上飯田だったため、乗り換え客を中心に発展した街です。
 船のような形をした神輿ですが、何を模したかは判りません。

 
北区・大杉町発展会
 

 北区の「大杉町発展会」です。
 現在は商店街の痕跡がありませんが、名古屋城から大曽根へ抜ける街道沿いに発展した街だったようです。
 「ゴジラ」を模した神輿のようですが、前年の1954年(昭和29年)に第一作が上映されて大ヒットとなり、この年には第二作が上映された事から、モチーフにしたと思われます。

 
北区・楠商工発展会
 

 北区の「楠商工発展会」です。
 北区に「楠」という地名はありますが、当時は庄内川から北の地域は「楠町」でした。
 この年の10月に名古屋市に編入された事から、町の商工会が参加したのかも知れません。
 ダルマの神輿です。

 
西区・円頓寺商店街
 

 西区の円頓寺商店街です。
 西の円頓寺本町商店街と共に名古屋で最も古い商店街で、大須と同様に円頓寺の門前町として発展しました。
 万国旗を掲げた帆船の神輿ですが、この年に「海の貴婦人」と呼ばれた大型練習帆船の海王丸が、日米修交百年祭参加の遠洋航海を行った事から、それをモチーフにしたのかも知れません。

 
西区・円頓寺本町商店街
 

 西区の円頓寺本町商店街です。
 「円頓寺商店街の西に位置します。
 豊臣秀吉の馬印である「千成ひょうたん」をモチーフにデザインしたと思われます。
 栄交差点の西側から東を向いて撮った写真ですが、中日ビルはまだありません。
 巨大な電波塔が見えますが、前年に開局した東海ラジオ放送の塔かも知れません。

 
西区・江川町発展会
 

 西区の「江川町発展会」です。
 現在の江川端通商店街ですが、当時は東井筋とも呼ばれた江川が流れており、その川沿いに発展した街です。
 舟形の山車ですが、引手として多くの子どもたちの姿があります。
 バックの看板のある辺りは、現在の栄広場です。

 
西区・庄内通三八発展会
 

 西区の「庄内通三八発展会」です。
 当時の市電の終点は、現在の地下鉄「庄内通駅」と「浄心駅」の中間にある「秩父通」でしたから、その北に商店街が形成されたのかも知れません。
 山車のような外観ですが、担ぎ手が担いでいますので、一覧表にあるように「みこし」です。

 
中区・広小路商店街連合会
 

 中区の「広小路商店街連合会」です。
 現在の栄町商店街広小路商店街になるのでしょうか。
 舟形の山車ですが、毎年夏に開催される「広小路まつり」に登場する「広小路丸」のようです。

 
中区・大須商店街連盟
 

 中区の「大須商店街連盟」です。
 江戸時代から名古屋随一の繁華街として栄え、多くの商店が集まっていた事から、この年には3台の山車で参加でした。
 竜の頭を備えた舟形の山車で、「大須万松寺通」や「大須東仁王門通」の幟が見えます。

 
中区・大須商店街連盟
 

 こちらも、中区の「大須商店街連盟」です。
 お囃子連が乗っているようなので、賑やかな山車だったでしょう。

 
中区・大須商店街連盟
 

 後ろ姿ですが、中区の「大須商店街連盟」の3台目です。
 山車のモチーフは判らないですが、「大須門前町」の幕が掛かっています。

 
瑞穂区・雁道発展会
 

 瑞穂区の「雁道発展会」です。
 現在の雁道商店街ですが、当時は今ほど通りの道路幅は広く無く、市電が走っていました。
 神輿は、当時の名古屋市長だった「小林橘川(こばやし きっせん)」氏を模したものと思われます。

 
瑞穂区・賑町発展会
 

 瑞穂区の「賑町発展会」です。
 現在の賑町商店街で、雁道商店街と隣接する歴史ある街です。
 こちらも「ダッコちゃん」の神輿です。

 
瑞穂区・瑞穂通発展会
 

 瑞穂区の「瑞穂通発展会」です。
 現在の瑞穂通商店街ですが、現在の「名古屋市博物館」の場所に「名古屋市立大学病院」(前身は1931年(昭和6年)開院の名古屋市民病院)があった事から、名古屋最東部の商店街として発展した街です。
 こちらも「ダッコちゃん」の神輿です。

 
瑞穂区・堀田本町発展会
 

 瑞穂区の「堀田本町発展会」です。
 現在の堀田本町商店街ですが、名鉄堀田駅に加え、当時は市電の終点でもあった事から発展した街です。
 こちらも「ダッコちゃん」の神輿です。

 
瑞穂区・堀田中通発展会
 

 瑞穂区の「堀田中通発展会」です。
 その後「堀田中通商店街」となりましたが、「堀田本町発展会」と次に登場する「柳ヶ枝町発展会」のさらに北、堀田通8丁目交差点から東へ入った辺りにありました。
 こちらも「ダッコちゃん」の神輿ですが、運動会の出し物のような感じですね。

 
瑞穂区・柳ヶ枝町通発展会
 

 瑞穂区の「柳ヶ枝町発展会」です。
 その後「柳ケ枝町商店街」となりましたが、「堀田本町発展会」の1本北の筋にありました。
 こちらも「ダッコちゃん」の神輿ですが、発展会の名前が見えないと何処の団体か判りませんね。

 
瑞穂区・牛巻商店街
 

 瑞穂区の「牛巻商店街」です。
 現在の牛巻交差点の東南側にありました。
 市電の電停があり、多くの町工場が建ち並んでいた事から、駅前商店街として発展しました。
 こちらも「ダッコちゃん」の神輿です。

 
瑞穂区・西部牛巻通発展会
 

 瑞穂区の「西部牛巻発展会」です。
 現在の西部牛巻商店街ですが、電車通りを挟んで、「牛巻商店街」の西側にあります。
 こちらも「ダッコちゃん」の神輿です。瑞穂区は「ダッコちゃん」で揃えた感じですね。

 
南区・笠寺観音発展会
 

 南区の「笠寺観音発展会」です。
 現在の笠寺観音商店街で、旧東海道沿いに笠寺観音の門前町として発展しました。
 名古屋城と金のしゃちほこが乗った華やかなアーチの神輿です。
 隣には、旧東海道沿いに今も伝わる猩々(しょうじょう)の姿があります。

 

 如何でしたでしょうか。
 時代を感じる写真ばかりだったと思いますが、今よりも手作り感があった「名古屋まつり」の様子だったと思います。
 今後も「フラワーカーパレード」などを通じて、商店街の存在をアピールしていきたいと思います。